宮澤敏文

「友よ ごくろうさま」

さわやかな涙だった。

昨日来の雨が上がり、春の風が頬に当たり 季節の代わりを告げている。

人口が減少し、過疎化が進む集落、御岳山の噴火被害からの復旧など、奥様と二人、二人三脚で、小さな町村を守りぬいてきた村上淳県議の締めくくりの本会議質問に議場が熱くなった。

1人区の県会議員制度は、いろいろな見方があるが、本人にとって「自分が守らなければ」という責任が 365日頭から離れない働き場である。

町村長のように、活動の手足となる職員がいない。自ら自動車を運転し、長靴を履いて現場に入る。孤独である。

同じ過疎地域を背負う議員として、心から信じあい、親しく語り合ったものだ。

歴史に例を見ない木曽郡馬籠の里 山口村の越県合併の時も「木曽に残ってほしい」という願いを心にしまい込んで 「山口村の住民が望むことだから」と心強くし、背中で泣いていた。

不思議なめぐりあわせで、私が、午前3時30からの知事が拒否した議案説明を行った。提案する演台から、彼の眼を閉じたまま聞き入る姿を見つめていた。

「歴史が動く」過去にない瞬間の空間を共有していた。

悩み、励ましあった友がさわやかな笑顔を残し、堂々とした背中で県議会を去った。     

   「 目を閉じて 語る笑顔 永遠に 」 星辰

コメントは受け付けていません。