宮澤敏文

人口減少縮小社会の光

人口は著しく減少している。とりわけ出生する赤ちゃんが減っている。健康で元気な高齢者がおられるから統計上減少率は低いが、実態は大変である。

北アルプス地域でも、今年中学を卒業した者は564名。出生者は316名であった。

小学校2校がある池田町の出生者数は39名。小学校6校を有する大町市は150名。小学校中学校とも1校の松川村は62名であった。縮小社会がすぐそこまで来ている。

日本全体が人口減で2100年には江戸時代と同じ人口になる予想すらある。

政府は減少する消費力の対策として人口増加の外国人の活用にかじを切った。

欧米のように難民の避難先ではなく、個性的な伝統国である日本社会になじみ、協同できる人材を積極的に教育し同じ国民として共生できるシステムの構築が急がれる。

耐震対策に巨費を使い、今後何年も使用可能な現職の学校や公共建物の活用する推進する政策は、もったいないの心を尊重する日本国ならではの対策だと思う。

千葉県鴨川市では人口減少で廃校とした中学校を私学の大学の校舎にプレゼントし、若い人の学びの拠点とした。

昨年長野県知事は60名の県内有識者を同行してベトナム国との友好を現地で実現した。私も、何回も訪問し多くの友人が住むベトナム国は、働くことを大切にする農耕民族で誠実な国民性の素晴らしい国であり、知事の選択と積極姿勢に拍手を送りたい。

課題は、知事訪問後、どのような官民を巻き込んだ民間レベルでの交流事業が、いかに展開しているかである。  長野県JAや商工会連合会、連合などの役員と訪問の際、お会いしたホーチミン市商工会議所会頭や役員、大学の経営者は日本国を最も大切なパートナーとしていた。 宮城県や茨城県も積極的に各州・指定都市との姉妹関係を結び拠点づくりを構築しようとしていた。

日本国だけよくなることは許されない。ベトナム国の人材を育成し、本国へ帰国しその分野で大いに活躍する。そのことにより一層の架け橋が強化されていくと信じる。

日本で働く多くの東アジアを中心とした外国人は誠実であると信じている。地方のものづくり産業や介護の分野での人材不足は大変である。この分野への誠実な心ある海外の若者に就業してもらいたいと願う経営者は多い。

長野県は高校卒業して18歳から都会で学ぶ若者の60%は故郷長野県に帰ってこない。

地域ふるさとの活性化、人口減少を食い止めるのは、地域で学ぶ学校があり、その学校は外国と連携し、国際的なものであり、働く職場も海外との人事的交流がなくてはならなくなると主張してきた。

楽を拾い、気の合う仲間と楽しく過ごすことはありがたいことだが、将来の姿を考え、波が高くても、根気よく温め、その姿を確認しながら今しなければならないことに汗する人の決意を大切にしたい。

『空き教室  昔の思いで 寂しさ重なり

  新たな顔ぶれ  四海にとどろく 』  星辰

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