住民共同での広津の雪かき
広津自冶会長の山崎さんが笑顔いっぱいで、「おかげさまでみんなで貯めてきたお金を使わずに,雪かき重機を購入することができた。今までより高い除雪費用もいただけるようになった。心から感謝し皆さんに報告いたします」と話された。
北安曇郡旧広津村は、戦後直後生産額長野県第3位の池田町蚕糸業の中心地域として、ほとんどの山腹まで桑畑が整備され、人口も4000名を超えたが、現在約50軒150名ほどの集落となってしまった。
平安時代末期からの伝統文化を守り、いささか高齢にはなったものの都会から自然を求めて永住した人たちが溶け合い自分たちの力で里山を守っている。
池田市街地から県道を車でわずか5.6分登れば海抜1000mほどのこの集落に入るが、豪雪地域ではないが山腹づたいの県道の冬の雪かきは大変である。
広津地域は長野県のほとんどの県道除雪は業者に任せているが、この広津地域は、住民で構成する広津道路愛護会が、道幅が細く危険な県道を24時間自ら除雪しその日当の半分を貯金し傷んだ除雪機の修理代や買え替えの費用を捻出してきた。
「宮澤さん入札制度が変わって、毎年入札で私たち住民で作る道路愛護会が請け負えるかわからない。しかし重機がなければ入札に手を上げられない。小型重機とはいえ地域で背負うのは大変だ何とかならないか」真剣そのものであった。
その場で大町建設事務所長と電話で県建設部道路管理課長にお願いした。県庁でも直接話もしたが、依頼のあった総会の一か月後、道路管理課長から「現地と先程話をし地元負担をなくし、地域の特殊性を考え、継続して作業ができるように工夫しましたがどうでしょうか」と案をもっと来てくれた。
現在長野県は知事選挙の真っ最中である。
「住民主役の県政、住民サイドに立った政治」地域住民からの要望に素早い対応する。財政が厳しい時代だからこそ、制度を工夫し何とか地域要望に報いていく」国と違って選択枠が限られてきている地方の姿だと思う。
「地方が主役」国は三位一体改革で、地方の選択権を広げ、税も事業も地方に任せる方式を主張されたが、現在は、もとの国への陳情方式に戻ってしまった気がする。
盛り上がる総会の交流会で、都会から住み着かれた若い住民家族に5番目のお子さんが誕生されたと聞いた。みんなの笑顔が一層広がる。
いつの時代も「子供は地域の宝物」である。
「おかげ様の 笑顔のもとに 和育つ」 星辰
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