山形県の熱い教育改革
36.2℃今季最高気温の中、翌日に東北4大祭りの一つ花笠踊りを控え、準備に熱い山形市に伺った。
「高校5年制」県立山野辺高校と県立米沢工業高校の2校で、普通では考えられないことを進める山形県教育委員会。最も遅れている教育改革、何とかしなくてはの一念を心に、高校教育課教育担当者と朝一で意見交換した。
思い起こすと平成14.5年ころから高校通学区検討委員会など、変化する教育問題と正面から向き合ってきた。
平成23年からは、スキーのメッカであるにもかかわらず生徒減少に苦しむ白馬高校、変化する技術に対応できる生徒育成や女子生徒増等の地域要望への対策を模索するため、両校に「魅力づくり検討委員会」を設置しその先頭に立ってきた。
「山辺高校看護科は5年生にして正看護婦の資格をとれるようにしました。米沢工業高校専攻科は、以前からあった庄内農業高校専攻科を廃止し、工業時代の高度専門人材を育成するために、地元からの強い要望をいただき、10年前に設置したとの説明をいただいた。
17年スタート当時17名の生徒で、地域の商工業者や山形大学工学部が一体となり、取組み、実践教育を進め、米沢産業育成事業、産学官連携製造人材育成事業でネットワークを創り、その事務局を米沢工業高校に置き、山形県、米沢市それにかかわる産業企業を巻き込んだ人材づくりを始めたとのこと。
高校の教師の目が変わった。「生きた激しい現場の新しく深い情報や技術革命を肌で感じて、今後のモノづくり産業振興の中で、どの分野を高校が背負わねばならないのかを痛感した。このプロジェクトに参加できたことが喜びだ」とイキイキ語る米工の先生の元気が印象に残った。
長野県池田工業高校は、第一次魅力ある池工をづくり検討委員会のデェアルシステム導入の提言を受け10年前から池工版デュアルシステムをスタートした。
「生徒が希望する職場へ」を合言葉に押し付けない「謙虚に自ら考え、学び、行動する」精神で、取組み、高校周辺の企業・団体の皆さんの育てる意識の中で一定の成果を上げてきた。
春はじまる前の弱弱しい生徒が秋を越えると堂々としてくるのには驚かされる。
そんな周辺地域の行政や産業界がしっかりしていることそして池工卒業生の多くが経済的な事情からほとんどが就職する現実から、学びたい生徒に戦力としてたくましく期待される人材育成とライセンス取得をさせてやりたい心から「専攻科5年生」を提案するものである。
池工の田村校長は、先生や親が決めた進路は途中でくじけてしまう例が多いが、自分で決めて将来の選択は凛として動かない。
産業がクローバル化して質の高い専門性が求められるが海外の労働者とは違ったドイツのマイスター取得者のような技術者が求められる昨今、日本とりわけ精密産業のメッカ長野県の職業高校の現場と人材育成はもっと変わっていかなくてはならないのではないだろうか。
昨年の本会議でも知事都教育庁に提言したが、あえてここで工業高校しかも小規模な地域高校の中にライセンス取得を中心とする高校専攻科の設置をすべきだと思う。
財政苦の米沢藩の崩壊を救った上杉鷹山公の「なせば成る、なさねばならぬ何事も、ならぬは.......」を思い出す。
「上る陽に 静かにあける上杉の杜 先人の信 あたりに満ちる」 星辰
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