宮澤敏文

満天の桜

大久保利通公が眠る清水谷から、満天の桜の道を、雨上がりのすがすがしさと香りを友に、上智大学方面へと歩く。

紀州徳川、尾張徳川、彦根井伊の徳川幕府側近の頭文字を付けて「紀尾井町」とした歴史をかぎながら、春の朝を楽しみゆっくりと歩く。

「桜のようにいきたい。」江戸武士や明治の先達のそんな意気込みが聞こえてきそうだ。桜は不思議な花だ。

歴史のドラマを巡らせて、外濠の風情にしたっていると上智大学内の教会の鐘が、けたたましく黒船のように7時を知らせる。

    満天の 桜の重なり われを洗う。   星辰

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