宮澤敏文

笑顔がみたくて

年を重ねてはじめてわかる自分の体力が日々失われていく不安。若いときは、自分の意思と行動がなにごとも一緒であったが、60歳に近ずくにつれ、脳と身体の間の連携がうまくいかないことによく遭遇する。生まれて初めてケアすることと鍛えなおすことに、昨今遅まきながらきずいた。やっと周りが見えてきたということだろうか。

「人は何のために生きているのだろうか」とよく話す方がおられるが、わたしは「後に続く大切な人が、自分の可能性を生かしきり、無事に、おだやかに生き抜いてくれればいいそのために植樹している」と思ってきた。子に託す思いもあるだろう。自分の後継してくださるものへのメッセージもあるだろう。

そう思えるようになって、初めて自分の前を歩く人が何を残そうとしていたのか,その思いに気持ちをやれるようになった。

このごろ目を閉じながら、多くの先人たちの顔を思い出す。笑顔で登場するときが一番輝き、思い出すわたしも楽しくなる。

思い出してくださる人にいい笑顔が残せたら素敵なことだ。

       「目を閉じて 浮かぶ笑顔に 教えられ」   星辰

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