宮澤敏文

宮城県亘理町の教訓

「299名の皆さんの黙とうをお願いします」の発声で200名が静かに目を閉じた。3月11日テレビ放映から全国民がまるで映画を見ているかの錯覚さえ覚えた仙台空港周辺の地に今立っている。

500mにもわたって高く積まれたがれきの山、残されたものは新築真新しいコンクリート造りのホテル一軒のみであたりには何もなく、野草が育っているのみである。誰もが黙っていまい、改めて津波の怖さに緊張する。

4月7、8日全国町村会長からの依頼を受け、不足する作業服を400セット北アルプス山麓の皆さんの温かいご協力のおかげでお届けした折、電気がなくテレビも映らない共同生活の中で子供たちが無性に本を欲しがっていたことを多くの仲間にお話しすると2000冊を超える絵本や児童文学書コミック本が寄せられた。

「星と虹と文庫」と名をつけ分野ごとに分類し整理をして、宮城県町村会のご手配で、ここ亘理町に11月7日1600冊の本とともにみんなでお届けに伺った。

町長さんや役場の皆さんの笑顔に迎えられ、町長さんの「復興への道のりは大変だけれど町民一つになって頑張る」との決意をうれしくお聞きした後、津波の被災現地に役場の職員さんの案内で伺った。

これだけの被災に合われながら死者の数が少ないことに「隣の町に比べ人的被害が少なかったのは過去の津波の被害を教訓に年6回生きた訓練を実行していたからでしょう」と話された亘理町長の言葉をかみしめる。

備えあれば憂いなし

「住民にしっかりと説明し住民が考え、自分のものとして行動してもらう」これからのすべてにわたり政治あるべき姿の原点を見た気がする。

「何もない 瓦礫の横に 野花育つ」 星辰

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