職業高校5年生の提案
「新聞も取られていない家庭が多いのにはびっくりしました」 「農業高校を出て農業に進む人の少ないことにびっくりしました」 「高大連携を考えても、就職がほとんどで調査しますと母子家庭などやはり経済的に就職しなければならないと考える学生が多いのが現実です」高校長と話すとこんな話題をよく耳にする。
平成28年までに長野県下で合併した新校を含め、県下86高校の将来の姿を確認することが行われている。第12通学区では合併した大町新校のほかに、定員不足から新たな学科の創設までも考える白馬高校、県下初のデュアルシステムを引く唯一の職業高校である池田工業高校でも話し合いがスタートした。学校関係者に地域の教育関係者が参加し熱心に公開で検討が進められているが、地域の関心は今一つであることが残念である。
私は過去に一年をかけて開催された県教育委員会の高校通学区検討委員会でも、普通高校は、全国の競争の中で常に磨かれるが、地域のモノづくりの担い手を育てるの職業高校の充実こそ都道府県ごとに特色を付けるべきで、望む人づくりこそ地域の輝きを創る原点と強く訴えてきた。
農業高校を卒業した後農業に入れないのは、働く場が整っていないことにも原因はあるが、農業の持つすごさや楽しさを15歳からの3年間で、身に着くかが課題である。先日安曇野市で千葉大学卒業の若者やスイスに農業研修をしてきた後継者と懇談の機会があり、彼らから高校を卒業した後の身の置くところがないのではという話は心に響いた。
また生徒たちが電気自動車の本体を機械科で、風力発電と充電施設は電気科が、ソーラー施設を完備した車庫は建築科が力を合わせ製造し、全国が注目する山形工業高校では、通算5年の専攻科を置き、3年までの高校過程とその上に、同じ学校で専攻科2年の教育がなされ、高校在校生との交流がスムーズに行われており、ものづくりへの意識が高揚され、学校全体が「今よりよくなろう。そのためにできることはやろう」という気概が学校校舎に満ちている。
私は、以前からとりわけ高校教育では、学ぶ意識を高めるためと企業が求める知識、技術技能の高度化に対応するためには、高校教育3年の上に2年の専攻科を設置すべきである。それも、高校が地域産業の人材育成を担う交通に恵まれない地域で採用すべきだとの提言をしてきた。提言の成果を山形工業高校に見た思いである。
生徒の定員不足で悩む高校では教室をあまっているし、教員の対応も可能である。是非とも本格的に検討をしてほしいものである。
クローバル化し情報化が、急激に著しく進んだ昨今、教育現場の変化が遅れている。
もう一度地域にあった人創りのプロセスを見直す時ではないだろうか。
「百年の計 常に見直す 流水の様」 星辰
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