「みんなで備えよう糸魚川一静岡構造線地震」構想
県議会県民クラブ(会長:宮沢敏文)
昭和58年から、東大、経済産業省地質調査所及ぴ、電力中央研究所等において調査がおこなわれている、糸魚川一静岡構造線系断層帯についての地震活動に関する評価が、平成8年9月11日に次のように発表された。
■地震活動に関する評価
(1)平成8年9月11日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 発表
○当該断層帯は、約1200年前に白馬から小淵沢までの区間で活動し、地震の規模はM8程度であった可能性が高い。
○牛伏寺断層を含む区間では、約干年おきに、M8程度の地震が発生してきた可能性が高い。
〇牛伏寺断層を含む区間では、現在を含めた今後百年以内に、M8程度の地震が発生する可能性が高い。
(2)平威13年5月25日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 強震動評価部会 発表
「全国を概観した地震動予測地図」の作成に向け、強震動評価を行う一環として、その評価方法について当該断層帯を事例として取り上げ、中間的な検討結果をとりまとめた。
○糸魚川−静岡構造線系断層帯(北部一中部)全体が同時に動くものと仮定
〇試算の評価地点を安曇、松本、穂高の3地点とし、「統計的グリーン関数法」で以下のように計算された。
地点 | 震度 |
安曇 | 5弱〜5強 |
松本 | 6弱〜7 |
穂高 | 6弱〜6強 |
(3)平成13年6月8日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 発表
過去の地震発生経過から最適な評価手法を適用し、長期評価が公表されている活断層に適用し、地震が発生する確率を計算した。
なお、本評価は平成13年3月16日に同委員会長期評価部会で公表し、6月8日に委員会として発表したものである。
断層帯名 | 評価地点 | 地震発生確率 | ||
30年以内 | 50年以内 | 100年以内 | ||
糸魚川-静岡構造線系断層帯 (牛伏寺断層を含む区間) |
2001年初 | 14% | 23% | 41% |
神縄・国府津-松田断層(神奈川県) | 2001年初 | 3.6% | 5.0% | 12% |
富士川河口断層(静岡県) | 2001年初 | 0.20〜11% | 0.37〜18% | 0.94〜33% |
鈴鹿東縁断層(三重県) | - | 0.50%以下 | 0.83%以下 | 1.7%以下 |
生駒断層(大阪府) | 2001年初 | ほぼ0〜0.14% | ほぼ0〜0.24% | ほぼ0〜0.56% |
そして、平成13年7月6日 地震調査研究推進本部 調査観測計画部会は、とりわけ高い地震発生の可能性が示された糸魚川-静岡構造線系断層帯は、宮城県沖のと合わせ2地域をパイロット的に重点的な観測体制を整備することを発表した。
以上を踏まえ、内陸型では最も危険度が高いこの地域〜糸魚川-静岡構造線系断層帯〜を全国的に地震防災対策強化地域と位置づけ、住民の総主役の対策を講ずることを提言する。
1.指定地域
北安曇郡、南安曇郡、大町市、松本市、塩尻市、東筑摩郡、東海地震対策強化地域
2.今後のスケジュール
1)住民がまず現況を確認し、自らの生活環境を備えようとする意識の高揚
2)行政の調査と、調査体制の確立、被害予想の作成
3)国の内陸型地震の対策モデル地域指定働きかけ
4)大規模地震対策特別措置法への指定への働きかけ
5)地震防災計画作成
3.地震対策緊急整備事業の実施