長野県治水・利水ダム等検討委員会 砥川部会長(下諏訪町)に就任の決意

 神の住む杜は、静寂の中にある。
 こずえのすみずみから伝わってくる神秘に心洗われながら、杜のささやきを聴く。
 今、この町が賛成反対で大きく揺れていることなど、この杜の歴史からすればささいな事であろう。
 しかし今を生きる者にとっては、治水利水は行政の基本である。正しく判断し、次代に受け渡さなくてはならない関心事である。
 日本で最も地質が貧弱だといわれる新潟県との県境小谷村に、大宮諏訪神社が祭られている。この神社では、7年に一度、諏訪地方の御柱奉りの前年に諏訪大社から神官がお越しになり、が鏤屶祭が執り行われる。
 私は、就任まもないこの地域唯一の県議会議員として、平成7年7月11〜12日のこの地を襲った大災害を経験した。
 想像をはるかに越える猛威に、自然のおそろしさ・すごさを教えていただいた。また災害でずたずたになった沢という沢、谷という谷に足を運び、「政治は現場に答えあり」と学ばさせていただいた。
 目に見えないご縁を感じながら、本日から精力的に検証に入るわけであるが、全国でも初めてのこのような住民参加を取り入れた検討会議である。
 結論は、すべての住民に納得いただけるように全身全霊を傾ける決意だが、そのプロセスや結果で、町が割れるようなことだけはないよう神の杜にこころから祈るしだいである。

平成13年10月10日
長野県治水利水ダム等検討委員会
砥川部会長 宮澤 敏文

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